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ひととき












「聞いた?今日はパーティなんですって」


「あら、パーティ?」


「何の?」


「それが・・・」



「そこ!無駄話しないで掃除なさい」



「はーい」




「・・まったくちょっとくらいねぇ?」


「ねー、ここの奥様とは大違い!」


「奥様のような方が上司だと、仕事もはかどるってもんだわ」




「で、何の話だっけ?」























「おにいちゃん、これ」


「おまえ、またひろってきたのか」


「・・だって、かわいそうなんだもん」


「うちにはさんびきもいるだろ」


「・・だって、さみしそうにないてたんだもん」




「もう、わかったよ!泣くなって」


「ほんと?」


「おかあさんたちにきいてこよう」


「うん」


「ダメだったらかってくれるところ、ふたりでさがすんだぞ」


「うん!おにいちゃんだいすき」





















「奥様」


「はい、どうぞ」


「失礼いたします」




「お召しのドレス、よくお似合いで」


「そんな・・・」


「おっと、つい本心が口をついてしまいました」


「ふふ、ありがとうございます」



「やはり、仕事先からパーティ会場へお向かいになるそうですよ」


「そうですか・・じゃあ着替えは?」


「仕事先の方でお召し替えなさるそうですから、そちらへ」




「おかあさん、はいるね」


「はいるねー」


「なあに?ふたりとも」




「あっ」


「わあ・・おかあさん、きれい!」


「そう?ありがとう。・・・あれ?その子」


「こいつがまたひろってきたんだ」


「きっと放っておけなかったのね」


「おかあさん、だめ?」


「うーん、お母さんは同じ気持ちなんだけど、お父さんはどうかしら」


「おとうさん、だめだっていいそうだね」


「ふふ、お兄ちゃんは何て言ったの?」


「え・・」


「あのね、さいしょはだめだっていったの。

でもわたしがないちゃいそうになったら、わかったよって!ね?」


「う、うん・・」


「じゃあねぇ、お父さんにも同じようにすると、きっといいって言ってくれるよ」


「ほんとに?」


「帰ってきたら、一緒にお願いしようね」


「うん!おかあさんだいすき」






「お二人でご一緒にお願いとは、結果が目に見えますな」


「ねえ、それってどういうこと?」


「あなた様がお嬢様に弱いように、お父様も同じなのですよ」


「ふうん・・・おとうさんも泣かれるのによわいのかな」























「小狼くん、ダメ?」


「おとうさん、だめ?」


「あーもう、わかったよ」


「ほんと?」


「ちゃんと世話するんだぞ?」



「うん!おとうさんだいすき」













END


藍さんのHPにて7777Hitを踏んだ記念にいただきました。


リクエスト内容は「李婦人」(死)でした。
思えばそれは、某レイ○ースOAV版の「理不尽」を「李婦人」と
聞き間違えたことから始まりました。
(注:中国は夫婦別姓ですとか無粋なことは言いっこなしで/爆)

それにしても、
くっは〜、なんちゅうかわゆい奥様か〜vvv
「李婦人」=「夜蘭さん風」などと、
当たり前なことしか考えられんワシとは大違いッス。
藍さんの描くイラストは、なんと言うか、
神秘的で素敵です〜。
なんか、おまけのお話なんぞもついてるし、
得しちゃった♪